2018年05月22日

東京消防庁T類1回目論文の講評

 5月20日、T類1回目の1次試験が行われました。受験されたみなさん、本当にお疲れさまでした。
 論文は平成29年1回目から3回連続で「グラフ読み取り」形式となりましたね。「課題を2つあげ」よ、という指示も定着してきています。
 一方で、「若者の早期離職」というテーマは消防の業務からかなり離れたものだったので、めんくらった人も多かったでしょう。
 東京消防庁消防官T類の論文では、平成18年〜21年頃にかけて、「情報化/インターネット」「団塊の世代の大量退職が社会に与える影響」「人口減少/少子高齢化」など、まるで行政事務区分のような論文テーマが続いていた時期があり、その頃に戻ったような印象を受けます。
 しかしながら、今回のテーマでは雇用問題に詳しくないと書けない、ということはとくにないと思います。最大のポイントは、グラフを見てきちんと「読み取れる課題を2つあげ」られたかどうかでしょう。
 まず、
・大学新卒者よりも高校新卒者のほうが3年以内離職率が高い ……@
 ということはすぐに読み取れます。
 もう一つは?
 落ち着いてグラフを眺めてください。
・就職率が低い時期に就職した学生(生徒)の離職率は高い  ……A
 ことがわかりますし、また、ごく最近の推移だけを見れば、
・(近年は)就職率が上昇しているのに3年以内離職率は下がっていない ……B
 という点に目をつけることもできるでしょう。
 「読み取れる課題を2つ」別々にきちんとあげることができたら、「それぞれの対応策」のほうはどうにかなるはずです。
 要は、3年以内離職率を下げるにはどういう取組みをしたらよいかということですから、「高校や大学での職業教育(キャリア教育)を充実させる」「説明会などで学生(生徒)が採用側とじっくり話せる機会を増やす」「インターンシップ制度の活用を進める」「採用側がメンター(≒新人指導係)制度を整備する」……など、冷静になって考えればいろいろ出てくるでしょう。あとは、「2つの課題(とそれぞれの対応策)」をはっきり分け、わかりやすい段落構成をとって述べていけばよい。
 東京消防庁や消防行政に結びつけて論じるかどうかは迷うところ。とくに指示されていないので、無理に東京消防庁や消防行政に言及する必要はないように思います。ただ、できれば言及しておきたいと考える人は多いでしょう。それなら「東京消防庁においても、早期離職をなるべく防止するため、新人の指導・育成のあり方を検証し、改善をはかっていくべきだ」といったようなことをさらっと述べておけば十分。
 「グラフ読み取り」はまだ続く可能性があるので、今後はさまざまなテーマに関する知識・論点の整理に加えて、短時間でグラフから「課題」「問題点」を的確に読み取る練習をしておくとよいかもしれませんね。時間的余裕があれば、「グラフ読み取り」の練習メニューも試作してみたいと考えています。

※教養試験についての講評はもうすこしお待ちください。
posted by TP at 08:10| 論文試験対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする