2021年03月04日

東京消防庁T類 論文試験対策2021最新版(2)

〜(1)から続く〜
 まずAタイプの論文課題を取り上げます。こうした課題(たとえば「防災」「少子高齢化」「国際化」……など)で書く場合には、ある程度の予備知識はどうしても必要です。テーマごとに現状や課題、主要な取り組みなどをまとめてインプットする努力はおこたらないでくださいね。
 それでは、答案の組み立て方を説明します。東京消防庁T類の論文では基本的に「社会に及ぼす影響」+「消防行政の取組み」とか、「問題点/課題」+「解決策/取組み」というふうに、前半と後半に書くべき内容がハッキリと分けて指定されています。したがって、それぞれどのような内容を書くべきかをしっかり検討する必要があります。
 実際の過去問題を取り上げてみましょう。

「少子高齢化が社会に及ぼす影響をあげ、それに対する消防行政の取組みについて、あなたの考えを述べなさい。」(2014年2回目)

 いかがでしょう。指示はたいへん明確です。まず「少子高齢化が社会に及ぼす影響」を述べ、続けて「それに対する消防行政の取組み」を述べればよいのです。
 
★「少子高齢化が社会に及ぼす影響」
 「労働力不足→経済規模縮小」などが思いつきやすいのですが、ちょっと待ってください。あくまで「消防行政」の観点、すなわち消防の仕事に関連する影響を考えるべきですよね。
 たとえば、
・災害や事故における高齢者の被害の増加
 などがあげられるでしょう。事実、人口構成の高齢化の影響で、地震・豪雨などの自然災害や火災による死者のうち高齢者が占める割合は近年、非常に高まっています。
 他には何があるでしょう?
 高齢者が増える一方、若者や働き盛りの世代が減っていく。それは、いざというときに地域の安全を守る力が弱まっていくということですね。事実、地域防災の担い手である消防団員数の減少・団員の高齢化はかなり深刻になっています。
・地域における防災力の低下
 こうした面も見過ごせません。

★それに対する消防行政の取組み
 「それに対する」という表現に気をつけてください。最初に述べた「影響」にきっちり対応する取組みを述べなくてはなりません。たとえば、社会的影響として「社会保障制度の維持が困難になる」といった内容をあげて、それに対する取組みとして「若い世代の消防団員を増やす」と述べても全然意味がわかりませんよね。
 先にあげた影響を例にとれば、
(少子高齢化が社会に及ぼす影響)災害や火災における高齢者の被害の増加
→(それに対する消防行政の取組み)住警器の普及を促進する、災害時要援護者名簿の共有・活用を図る、高齢者向けの防災訓練・防災教育をくふうする……

(少子高齢化が社会に及ぼす影響)地域における防災力の低下
→若い世代の防災の担い手を増やす(サラリーマン、学生、女性の消防団員を増やす)……


 というぐあいに、「影響」と「消防行政の取組み」がきちんとかみ合うように考えてみることが大切です。
 もう一つやってみましょうか。

「住民の防災への意識を高めるための現状の課題をあげ、消防職員としてどのような取組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。」(2015年1回目)

★住民の防災への意識を高めるための現状の課題
・防災において重要な役割を果たす地域コミュニティが衰退してきている ⇒どうやって地域での防災意識を高めていくか
・大規模災害をきっかけに一時的に防災への関心が高まっても、時間がたつと危機感が薄れてしまう ⇒ どうやって高い関心を保つか
・高齢者や外国人など災害時要配慮者の増加 ⇒ 彼らの安全を守る対策をどのように進めていくか

 ……などなど。

★消防職員としてどのような取組みが必要か
・消防団員の増員
・学校での総合防災教育
・防災訓練の内容の工夫
・要配慮者対策の強化

 ……などなど。

 それでは次回は、論文全体の構成(つまり段落の配置)をどうするのかという点について考えてみます。

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2021年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/480170884.html
posted by TP at 07:00| 論文試験対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする