2021年03月13日

Questionの解答例・解説(論文試験対策)

※この記事は、以下の記事の「続き」です。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/480390856.html

◆(応急手当を学ぶ救命講習を受けたことがないと答えた人に対して)救命講習を受けない理由(複数回答可)
Question.
*この回答結果から読み取れる問題を2つ(以上)挙げよ。
*それぞれの問題について、どのような取組みが必要か?

<解説>
 まず、「講習をやっていることを知らなかった」という回答が64.3%もあることから、すぐに思い浮かぶ問題は「救命講習について知られていない/救命講習の認知度が低い」ことでしょう。この問題に対する取組としては、
・救命講習への参加を促す広報を強化する(具体的には、学校や公共施設、民間事業者の店舗などでの掲示、マスメディアやSNSの活用……など)
 という感じになります。
 それではもうひとつの問題は何でしょうか?
 多くの人が選んだ回答から考えるのが自然です。そこで、2番目に多かった「講習を受ける時間がない」(25.0%)に着目するなら、「時間(や日程)が合わなくて参加できない人が多い/参加しやすい時間帯に行われていない」といった問題を挙げることができます。この問題に対する取組は、
・講習を行う時間帯を多様化する
・実施回数や会場をもっと増やす
・参加時間を短縮する
・WEBでの受講を促す

  ……といった線が考えられるでしょう。
 もちろん、応急手当には実技講習が必要なので、WEB(オンライン)学習だけで完結させるのは難しいわけですが、WEB上で学習映像の視聴者を増やせば、結果的に実技講習への参加者も増えるだろうと思います。
 ちなみに、東京消防庁では事前に電子学習することで会場での参加時間を減らす「短縮救命講習/インターネット併用講習」が行われており、学校や事業所などでこのしくみが活用されてきました。現在は、個人でも短縮講習に参加できます。(会場は限られますが……。)
→ https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu-adv/tanshuku.html
 その他、「講習に行くのが面倒」(16.3%)という回答に着目し、「会場に出向く負担感が大きい」といった問題を挙げることもできるでしょうね。それに対する取組みも具体的に示しやすいと思います。

◆(応急手当を実施できないと答えた人に対して)応急手当をできない理由(複数回答可)
Question
*この回答結果から読み取れる課題を2つ(以上)挙げよ。
*それぞれの課題について、どのような取組みが必要か?

<解説>
 こちらも、選んだ人が多い項目から考えてみます。「自信がないから」「かえって悪化させることが心配だから」を選んだ人が多いことは、一通りの知識をもっていても、実際に行動するとなるとなかなか自信がもてない人が多いということを意味しています。したがって、課題を挙げるとすれば、「一定の知識をもつ人が現場で自信をもって手当できるようにすること」といった方向になるでしょうか。そのための取組としては、
・講習の内容をより実践的なものにする
・(すでに講習を受けた人に)再講習、ステップアップ講習の受講を促す

 ……といった線が考えられます。
 また、「何をしたらよいかわからないから」と回答した人は上位2つとは微妙に異なり、そもそも応急手当の知識、経験がまったくないわけでしょうね。したがって、これに着目するのなら課題は「応急手当の知識、経験をもつ人を増やすこと」=「講習参加者を増やすこと」でよいことになります。参加者を増やすための取組ならば、すでに先の項目でも挙げたように、広報の強化、時間帯や会場の多様化……といった線で十分です。
 一方、選んだ人の割合はそれほど多くないのですが「誤った応急手当をしたら責任を問われそうだから」(26.8%)「怖いから」(18.2%)「感染などが心配だから」(6.7%)といった回答も気になりますね。応急手当をする場合、自分自身がケガや感染をするかもしれない、あるいは手当した相手方から訴えられたりするかもしれない……という不安は当然、生じるでしょう。それらのリスクに対し、「安心して/不安なく」応急手当ができるようにすることも課題になります。
 もしこの点を取り上げて論述するのであれば、東京消防庁が2015年に創設した「バイスタンダー保険制度」をふまえておくべきでしょう。この保険制度はおもに、応急手当をした人自身がケガや感染をした場合、見舞金などを支給するという内容。ただし、それとは別に、応急手当をした人が傷病者やその家族から損害賠償請求をされたケースでも、法律相談のための見舞金を支給することになっています。
→ 参考:https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-kouhouka/pdf/270903_2.pdf
posted by TP at 07:00| 論文試験対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする