2024年04月23日

「東京消防庁重点施策」とT類論文試験課題

4月22日、東京消防庁のHPに2024(令和6)年度の重点施策が公開されました。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/kk/priority/priority1.pdf
 東京消防庁は、これまで年度ごとに6項目からなる重点施策を決めてきましたが、今年度は5項目となっています。
 近年における内容の変遷を以下に挙げてみましょう。

<2024(令和6)年度>
1 震災等あらゆる災害への消防活動能力の向上
2 一人でも多くの命を救うための救急活動体制の強化
3 自助・共助・公助の連携強化による地域防災力の向上
4 危険性に応じた効果的な火災予防業務の推進
5 都民の期待に応える職員の育成及び業務執行体制の充実強化


<2023(令和5)年度>
1 震災等あらゆる災害への消防活動能力の向上
2 一人でも多くの命を救うための救急活動体制の強化
3 関東大震災100年を契機とした地域防災力の充実強化
4 危険性に応じた効果的な火災予防業務の推進
5 全庁一丸となった安全文化の醸成と活力ある職場づくり
6 DXをはじめとした消防行政の質の向上


<2022(令和4)年度>
1 全庁一丸となった安全文化の醸成と活力ある職場づくり
2 あらゆる災害に安全・確実・迅速に対応できる消防活動能力の向上
3 一人でも多くの人の命を救うための救急活動体制の強化
4 都民との連携による地域防災力の強化
5 危険性に応じた効果的な火災予防業務の推進
6 DXの推進と消防行政の質の向上


<2021(令和3)年度>
1 あらゆる災害に安全・確実・迅速に対応できる消防活動体制の強化
2  一人でも多くの人の命を救うための救急活動体制の強化
3 都民の防災への関心と防災行動力の向上による地域防災力の強化
4 危険性に応じた効果的・効率的な火災予防業務の推進
5 DX をはじめとした構造改革の推進と消防行政の質の向上
6 東京 2020 大会時の万全な警戒の実施 


<2020(令和2)年度>
1 東京 2020 大会を無事に終了させる
2 どのような災害にも安全・迅速・的確に対応する
3 一人でも多くの人の命を救う
4 一人でも多くの都民の防災への関心を高め、行動に移してもらう
5 一つでも多くの建物の安全性を向上させる
6 一人でも多くの都民に信頼される東京消防庁にする


<2019(令和元)年度>
1 一人でも多くの都民に信頼される東京消防庁にする
2 東京2020大会を無事に終了させる
3 どのような災害にも迅速・的確に対応する
4 一人でも多くの命を救う
5 一人でも多くの都民に防災への関心をもってもらう
6 一つでも多くの建物の安全性を向上させる


 毎回同じではないので注意してください。よく読むといろいろ気になる点があります。
 たとえば、2024(令和6)年度と2023(令和5)年度を比べると、1つめ、2つめの項目はまったく変わっていません。しかし、3つめの項目では「自助・共助・公助の連携強化」というフレーズが新たに登場し、強調されています。今年のT類採用試験を受験される方は、論文対策の一環として「自助・共助・公助」に関する知識や論点を整理しておくとよいかもしれません。
 また、5つめの項目に登場した「都民の期待に応える職員の育成」というフレーズもやや気になります。2022(令和4)年1回目の論文試験課題は「都民から信頼される消防官になるためにあなたが実践すること〜〜」でしたが、「都民に信頼される」というフレーズは2019〜2020年度の重点施策中に見つかります。また、2022(令和4)年2回目の課題は「今後の社会情勢をふまえ質の高い行政サービスを提供するために、消防官としてあなたが取り組むこと〜〜」です。「質の向上」というフレーズが2021(令和3)年度・2022年(令和4)年度の重点施策中に登場していることにお気づきでしょうか。
 こうした例を考慮すると、「都民の期待に応える」みたいなフレーズを含む論文課題が出される可能性も。どんな内容で論述するか、シミュレーションしておくとよいかも…。

 他にも、近年の重点施策の変遷で、気になる点をいくつか挙げておきましょう。

・2022(令和4)年度の重点施策1「安全文化の醸成と活力ある職場づくり」はそれまでにはなく、いきなり登場してトップ項目に。近年の東京消防庁が職場での「安全対策」「安全意識」をとても重視するようになったことの現れでしょう。ちなみに、2022年4月には「安全推進部」が新設され、2023年3月には「東京消防庁安全憲章」が制定されました。2024(令和6)年度の重点施策項目1の文面から「安全」の文字が外れていますが、具体的な取り組みとして述べられた2つの下位項目には「安全管理を前提とした」といったフレーズが残されています。
「DX」というキーワードが初めて出現したのは2021年度。ちなみに、2021年度には「DXをはじめとした構造改革」という言い方でしたが、2022年度はズバリ「DXの推進」に変わりました。2024年度の項目から「DX」の語は外されていますが、
項目5の下位項目2つのうち1つは「DXをはじめとした行政運営の効率化・高度化」となっています。
「救急活動体制の強化」が項目2に出現するのも2021年度から。それまでは「一人でも多くの命を救う」というスローガンで、とくに「救急」と明示されていませんでした。「救急活動体制の強化」が明確に掲げられた背景には、近年、救急体制の危機が深まっていることがありそうです。
posted by TP at 19:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月18日

STORESショップについてのお知らせ

 東京消防庁消防官T類採用試験に関する最新版の教材は、研究会サイトの 教材リスト のリンク経由以外に、以下のSTORESショップでも販売しています。
https://toshoshiken.stores.jp/
 これまで、STORESショップにおいては、「東京消防庁消防官T類論文試験対策テキスト(2024年版)」および令和5(2023)年度1回目・2回目の1次試験解答解説だけを販売していましたが、先日、令和4(2022)年度以前の1次試験もチェックしたいのでSTORESで購入できるようにしてほしいとのご要望が寄せられました。それを受け、令和4(2022)年度、令和3(2021)年度の1次試験解答解説もSTORESショップに追加しました。
  STORESショップでは、コード決済やコンビニ決済などクレジットカード以外の決済も可能になっています。ご利用いただければ幸いです。

※教養試験での分野別問題数(内訳)は2023(令和5)年度の採用試験から、それまでと大きくさま変わりしています。2022(令和4)年度・2021(令和3)年度はそれ以前の問題であることにご注意ください。
posted by TP at 12:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月14日

東京消防庁 女性活躍推進に関する状況

 東京消防庁が「女性活躍推進に関する状況」のページを更新しています。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/kk/woman1.html
 令和5(2023)年4月1日現在で、東京消防庁での女性消防吏員の割合は7.09%令和8(2026)年4月までに「8%以上」にするのが目標とされていますが、近年の上昇率が毎年0.1%くらいにとどまっていることを考えると、達成はなかなか厳しいという印象です。
 ちなみに、東京消防庁の7.09%という数字をどう見ればよいでしょうか? 全国の消防吏員に占める女性の割合は約3.4%(令和4(2022)年4月))にとどまっていますから、東京消防庁の割合はかなり高いと言えます。
 一方で、公安系の他の職種はどうなのかというと……全国の警察官のうち女性が占める割合は11.4%、また、全国の自衛官のうち女性が占める割合は8.7%となっています(いずれも令和5(2023)年4月現在)。さまざまな事情があるとはいえ、消防が遅れをとっているのは事実ですね。
 東京消防庁消防官T類の論文試験課題に「女性活躍推進」が正面から取り上げられる可能性は低いかもしれません。ただ、「多様な人材を活かす組織」「多様な人材が活躍できる組織」といった観点から出題される可能性はあると思うので、女性消防吏員をめぐる現状はさえておいてはいかがでしょうか。
posted by TP at 15:08| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月03日

東京消防庁T類1回目採用試験 申込受付終了

 東京消防庁T類1回目採用試験の申込受付が本日で終了しました。
 申込時に入力したエントリーシートの内容は、2次試験(面接)のさいに詳しく参照される可能性が高いので、入力した内容・文章は必ず保存しておいてください。面接試験対策としては、入力・提出した内容をもとにさらに具体的な説明を用意していくことになります。
 さあ、これからは5月12日(日)の1次試験に向けた準備に集中することになりますね。
教養試験対策シリーズ記事(一覧)
論文試験対策シリーズ記事(一覧)
 これらの対策記事群なども参考にしていただければ幸いです。いちおう、試験科目別にこれからの注意点をまとめて挙げておきますと…

◆教養試験対策
 教養試験方式で受ける方は、出題分野ごとに「もれなく重点的に対策すべき分野」「ヤマをかけて対策すればよい分野」「捨ててしまっても構わない分野」……のどれに当たるのか、はっきりさせましょう。漫然と問題を解くのでは得点の予測がつきません。最終的には、自分なりの「時間配分」(大きな分野ごとにどれくらいの時間を割り当てるか/どんな順序で回答するか)も確認しておいてください。

◆SPI3対策
 適性検査方式で受ける方は、できる範囲でSPI3(ペーパーテスティング)対策をしておきましょう。(とくにSPI3を受験した経験が少ない方は要注意。)SPI3は「公務員試験向けの特別な対策は不要」などと説明されることが多いですが、これは決して「何の対策もしなくてよい」という意味ではありません。
 ちなみに、SPI3の受検方式には「ペーパーテスティング」「テストセンター」「Webテスティング」などいろいろありますが、1次試験で課されるのは「ペーパーテスティング」方式です。参考書や問題集にあたるさいには気をつけてください。

◆論文試験対策
 東京消防庁消防官1類の1次試験では、論文がかなり重視されていることは間違いありません。時間内に整った答案を書き上げられるように備えましょう。
 すでに多くの年度の過去問や予想問題を書きあげた経験がある方は、1次試験直前の時期には(たとえば1週間前くらいから)、これまでに書いた自らの答案をじっくり読み直し、内容や構成を確認する作業に時間を使いましょう。(「自信作」にあたる答案をいくつも書き上げたとしても、実際に類似課題が出されたときに、きちんと再現できなければ練習した意味がないからです。)
 一方、答案を書き上げた経験がまだまだ乏しいという方は当然、答案を書く練習を積むべきですが、残り時間を考えるとそのペースでは多くの課題をこなすのが難しいかも……。であれば、『論文試験対策テキスト(2024年版)』に掲載されている答案例などを集中的に読み込み、さまざまな課題に関連する知識や答案構成の型(パターン)を頭に入れてしまうことを強くおすすめします。まずは既存の答案例(よくある書き方の例)をインプットし、それを参考にして自分なりの答案を作ってみる……という順序で取り組むほうが、圧倒的に効率がよいからです。
posted by TP at 17:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月20日

東京消防庁消防官T類採用試験 申込時のエントリーシート入力について

 今回から東京消防庁消防官T類採用試験申込時に入力するようになったエントリーシートについて、項目が多いのでそれぞれどう書くか苦慮しているみなさんも多いようです。
 とくに重要な項目については、以前に掲載した「面接試験対策記事」を参考にしていただければよいかな…と思います。
※面接試験対策記事シリーズは、5月下旬以降に最新版に切り替える予定なのですが、現時点では2023年版記事をリンクしておきました。(最新版への改訂はこれから行うため。)

◆志望動機を考えるさいのヒント
https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/488755644.html(消防官の志望理由)
https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/488755671.html(東京消防庁の志望理由)

◆長所・短所(とくに長所)を考えるさいのヒント
https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/488755704.html(自己PR)
https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/498614247.html(東京消防庁が求める人材像)

 何を書こうか迷ってしまうようなら、ざっと一読してみてください。
posted by TP at 07:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月14日

東京消防庁のウェブページ「応急手当の重要性」

 東京消防庁のウェブサイトの「応急手当の重要性」ページが更新されました。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu-adv/joukyu/oukyu-01.htm
 ぜひ一読してみていただきたいのですが、とくに押さえておきたいのは、多くの人々が応急手当の知識・技術を持つべき理由です。上のページには

@救急隊が到着するまでに、その場に居合わせた人(バイスタンダー)が応急手当を行うことで救命率の向上が期待できるから。
A大規模な災害等が発生したときは救急隊が向かうこと自体が難しいので、住民自身が自主救護に努めなくてはならないから。

 この2点が明示されています。
posted by TP at 13:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月05日

電子申請の拡大について

 3月1日、東京消防庁のHPに「電子申請の拡大について」というページが掲載されました。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/inf/denshi2/index.html
 79種類の手続について、パソコンからの電子申請が可能になったことが告知されています。
 デジタル化(DX)に関連しては、救急・救助業務におけるAIなど先端技術の活用がイメージされやすいかもしれません。内容的にも興味深いですしね。ただ、各種手続で電子申請を可能にするという取組みも、地味ではあるのですが、確実に都民にとっての利便性を向上させ、業務の効率化につながります。
posted by TP at 15:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月03日

東京消防庁が求める人材像

 東京消防庁の令和6年度職員募集パンフレットがすでに公表されていますが、みなさん、ご覧になりましたか?
https://tfd-saiyo.jp/request/
 一通り全体に目を通していただきたいのは当然ですが、とくに確認していただきたいものに、東京消防庁の「求める人材像」があります。令和6年度東京消防庁職員募集パンフレットの最初の見開きページでご覧ください。「求める人材像」が4つ、明確に示されています。

・都民の生命、身体、財産を災害から守るという消防の役割を体現できる使命感を有している人
・法令、規律、社会道徳を重んじ、謙虚に自己を成長させることができる自律性を有している人
・都民に寄り添うことができる高い感受性と消防の使命達成のために周囲と協力できる協調性を有している人
・心身ともに健康で過酷な災害環境においても活動を遂行できる強靭さを有している人


 中心的なキーワードだけを抜き出せば「使命感」「自律性」「協調性」「強靭さ」の4つになりますが、これら以外にも「法令、規律、社会道徳を重んじ」「都民に寄り添うことができる高い感受性」といったフレーズも気になりますね。
 「求める人材像」を把握しておくことが重要なのは、もちろん、面接対策の意味合いです。面接試験で「自己PR」や「目指す消防官像」を話すのなら、これらの「求める人材像」とフィットする内容を検討する必要があります。面接試験以前に、昨年はオンライン申込の際に「自己PR」を入力するように求められましたし、いま(3月)の時点で「自己PR」の内容を考えておくべきなので注意してください! 自分のどんなところをPRするのか? 迷うようならば、ぜひ「求める人材像」4つを手掛かりに考えてみましょう。これら4つのどれかに関連する内容なら、とりあえずは問題ないだろうということになります。
 さらには、論文試験対策の側面もありますね。
 以前のT類論文課題は具体的な社会課題について述べさせるものが多かったのですが、最近では一転して「求められる消防官像」「目指す消防官像」に関わる課題が連続的に出題されています。

「東京消防庁の職員に求められる倫理観や規律の遵守が求められる理由についてあなたの考えを述べよ。」(令和5[2023]年2回目)
「消防職員の使命についてあなたの考えとその達成に向けてあなたができることを述べよ。」(令和5[2023]年1回目)
「今後の社会情勢をふまえ質の高い行政サービスを提供するために、消防官としてあなたが取り組むことを述べよ。」(令和4[2022]年2回目)
「都民から信頼される消防官になるためにあなたが実践することを具体的に述べよ。」(令和4[2022]年1回目)


 いかがでしょう。それぞれの回で切り口は微妙に異なっていますが、いずれにせよ「東京消防庁が求める人材像」をふまえた論述が求められている点は共通しています。そういうわけで、論文試験対策の観点からも、上に引いた「求める人材像」4つをしっかり確認しておきましょう。そのうえで、自分自身がそのような人材(消防官)になるために日頃からどんな心がけや行動が必要か、どんな取組みをすべきなのか、文章で表現してみてください。
posted by TP at 11:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月25日

「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」

 東京消防庁のHPに「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」の最新版が公表されました。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/index.html
 読んでおくことで実際に大地震の被害を軽減する対策を取ることができます。ちなみに、このテーマがT類論文課題としてズバリ取り上げられる可能性は高くないと考えられますが、過去に一度だけ出題されたこともあります(2017年1回目試験)。というわけで、ぜひみなさんも目を通してみてください。
 ここではとくに気になるポイントをいくつか挙げておきます。

★家具類の転倒・落下・移動による3つの危険
・ケガ:近年発生した地震でけがをした原因を調べると、約30〜50%が家具類の転倒・落下・移動によるもの。
・火災:転倒・落下した家具などが電気ストーブなどの電源スイッチを押し、火災が発生することがある。
・避難障害:転倒、移動した家具が避難経路を塞ぎ、避難を妨げることがある。
 「ケガ」の危険が思い浮かびやすいが、「火災の原因になる」「避難を妨げる」危険にも注意!

長周期地震動の影響で、高層階になるほど家具類の転倒・落下・移動が起きやすい。高層階(10階以上)ではとくに念入りな対策が必要。 

★家具類の「固定」だけでなく、「収納方法」や「レイアウト(配置)」の工夫も重要である。
posted by TP at 07:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月05日

救急搬送データから見る日常生活事故の実態(令和4年)

 東京消防庁が「救急搬送データから見る日常生活事故の実態(令和4年)」という資料を公表しています。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/nichijou/kkhdata/index.html
 これまでのT類論文試験で、「日常生活事故」が直接取り上げられたことはありません。ただ、救急については取り上げられたことがありますし、「救急」がメインテーマでなくも救急需要の増大について答案中に言及する人は多いはず。そういう意味で、ざっと目を通す価値のある資料だと思います。
 とくに興味深いのは、年齢層別の件数や事故の種類(原因)でしょうか。ざっと概要を示しておくと……

★日常生活における事故による救急搬送人数では、65歳以上の高齢者が全体の約6割を占める。とくに80代がとても多い。(東京都の人口で80代が占める割合は6%余りにすぎないが、日常事故での搬送人数は全体の4分の1以上を占めている。)
★60代の搬送人数は12,135人と50代(11,079人)とあまり変わらないが、70代は23,337人、80代は36,823人と70歳を超えると急激に搬送人数が増える


 こうしたデータを見ると、救急需要の増大の要因が人口構成の高齢化にあることがよく納得できるでしょう。

★高齢者以外では9歳以下の子どもの搬送人数が11,406人と突出して多い。(さらにそのうちの7割近くが5歳未満の幼児である。)

 高齢者の他に、幼い子どもも日常生活でさまざまな事故の危険にさらされています。実際のデータでもそのことがはっきり見て取れます。

★事故の種類(原因)では「ころぶ」事故の割合が圧倒的に多い。とくに高齢になるにつれて「ころぶ」事故の割合が増える
★「ころぶ」事故を除くと、乳幼児では「落ちる」事故や誤飲など「ものがつまる」事故、「やけど」の割合が比較的多い。10代では「ぶつかる」事故の割合が比較的多い。また、高齢者では「おぼれる」「ものがつまる」事故の割合も多い。


 浴室でおぼれる事故のほとんどが高齢者であること、ものが(のどに)つまる事故は乳幼児と高齢者に多いこと。これらは実際のデータにもはっきり表れている特徴。日常生活での事故に対する注意喚起や情報提供のポイントも、年齢層ごとに異なるということですね。
posted by TP at 13:00| その他(更新情報など) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする