2022年05月24日

東京消防庁消防官T類・令和4年1回目試験の論文課題

 東京消防庁消防官T類・令和4(2022)年1回目採用試験の論文課題は「都民から信頼される消防官となるためにあなたが実践すること〜〜」でした。
 4月8日に提示した対策課題−3「東京消防庁に対する都民の信頼を高めるために必要なことをとくに2つあげ、それをふまえて今後、あなたが当庁の職員としてどのように行動するか〜〜」とかなり似たテーマ。また、過去問で探してみると、平成22(2010年)2回目の「都民に信頼される消防官になるために、どのように取り組むのか〜〜」ともほとんど同じですね。
 非常にシンプルな「作文」系のテーマですから書きやすかっただろうと思います。おそらく、多くのみなさんは「実践すること」を2(〜3)個示すという、並列・箇条書き型の構成を採用したのではないでしょうか。いちおう、そのつもりでチェックすべきポイントを挙げておきますと…

・「実践すること」(2〜3個)の組合せは妥当か? 内容が中途半端に重なってしまっていたりはしないか?
・「実践すること」を示すだけでなく、そうすることでなぜ都民から信頼されるのかという理由もきちんと説明しているか?


 とくに大事なのはこれら2点でしょうね。
 あと、わざわざ「都民に信頼される」となっていることからあえて付け加えると、
・東京が置かれている現状(たとえば少子高齢化の進行、地域コミュニティの希薄化、災害の多様化、首都直下地震の切迫……など)についても適切に言及しておいたか?
 という点も、より説得力をもたせるという意味で挙げられるかもしれません。
 いかがでしたか。

 なお、今後、U類採用試験やT類2回目試験の論文でもこの手のシンプルな「作文」系テーマが出されるのかどうかについては、現時点では何とも言えません……。決め打ちはせず、さまざまなタイプを想定して準備すべきでしょうね。
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2022年03月21日

東京消防庁T類 論文試験対策2022最新版(11)

〜(10)から続く〜
 最後に、「東京が直面している課題」「都民が東京消防庁に期待していること」などをまず挙げ、それをふまえて「消防官としてどう取り組むか」を後段に述べるといったタイプも取り上げておきましょう。具体的には2011年2回目・2010年1回目などが典型です。ちょっと古い出題パターンなのですが、ひょっとすると復活するかもしれないので……。
 このタイプの論文では、まず「東京の課題」「東京消防庁に期待されること」をきちんと示す必要がありますが、ここで注意したいのはあくまで「東京」ならでは・「東京消防庁」ならではの課題を考えるべきだという点。「生命を守る」「安全を守る」みたいな、漠然とした内容では不十分でしょう。たとえば、

★人口や産業が集中する東京では、災害・事故が発生したときの被害が大きくなりがちだ。さらに、社会環境の変化や世界的な気候変動などを背景に、災害や事故は多様化しつつあるので、防災防火対策に万全を期す必要がある。
★官庁・オフィス街、高層マンション、木造住宅密集地帯……など、首都東京には多種多様なエリアが存在するので、それぞれの地域特性に応じた防災・減災対策を着実に進めていく必要がある。
★外国人住民が増加しているので、日本語を母語としない人々の安全を守る対策の強化が急務だ。
★近い将来、高い確率で首都直下地震の発生が予想されている。東京消防庁としても地域住民や民間事業者との連携を強化し、首都直下地震の被害を最小化するための取り組みを全力で進めていかねばならない。


 ……などなど、あくまで「東京」「東京消防庁」ならでは課題を明確にし、具体的な取り組みを述べていくように心がけてくださいね。
 そのためにも「東京の消防白書」「東京消防庁重点施策」などの資料の読み込みはきちんと行っておきたいものです。
 実際の過去問をあげておきます。

例:「東京消防庁に都民が期待していることを挙げ、消防官として、あなたはどのように取り組むのか、考えを述べよ。」(2011年2回目)

 全体の段落構成は、おなじみの並列構造を使えばきれいに整理されたかたちになるでしょう。たとえば、

第1段落:都民が東京消防庁に期待していること
第2段落:どのように取り組むか−1
第3段落:どのように取り組むか−2
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明などもつけておく)


 これでもよいですし、「都民が期待していること」を最初から2つに分割して書いていくこともできますよね。

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2022年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/484810628.html
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2022年03月19日

東京消防庁T類 論文試験対策2022最新版(10)

〜(9)から続く〜
 「作文」タイプの答案で最もシンプルな構成は、

(前半)
 冒頭段落:「学んだこと」の中身を端的に提示
  ↓
 第2段落〜:それを裏付ける経験談をストーリーにして述べる
(後半)
 「学んだこと」の中身を再度明示したうえで、「消防官としてどのように活かしていくか」を述べる
  ↓
  最後に「決意表明・抱負」を述べてしめくくる


 ……といったものでしょう。
 字数・段落数を増やすには、経験談のところをいくつかの段落に分け、くわしく書いていけばよいのです。
 その他、時事系課題式論文でおなじみの「並列構造」を使う手もあります。
 たとえば、「学んだこと」=「正確な情報伝達能力」として答案を書くとすれば、

 私が経験を通して学んだ「正確な情報伝達能力」を消防官としてどのように活かしていくか
 →第一に、チームや組織の中で活かすことができる。具体的には〜〜〜
  第二に、住民や民間事業者との関係において活かすことができる。具体的には〜〜〜


 ……というふうに「消防官としてどう活かすか」の内容を分けて述べていくことができます。
 むろん、思い切って「学んだこと」自体を2つに分け、並列構造で処理してしまってもよいですね。

 学んだことその1→裏付ける経験談→これからどのように活かしていくか
 学んだことその2→裏付ける経験談→これからどのように活かしていくか


 このような構成にすればネタ切れ・字数不足の心配もなさそうです。

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2022年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/484810628.html
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2022年03月17日

東京消防庁T類 論文試験対策2022最新版(9)

〜(8)から続く〜
 今回からはある特定のテーマ、視点に関連して、「自らの経験」を踏まえて考えを述べるタイプの論文について、答案作成のコツを考えてみます。ちなみにこの系統のテーマ、近年はずっと出ていませんが、ひょっとして……ということも。それに、東京消防庁以外の併願先でこのタイプに出くわす可能性もあるので、ぜひ備えておきましょう。
 このタイプは「経験」を踏まえて述べるので、論文というよりは「作文」なのですが、だからといって書くのがラクだとも言いきれません。例として、2013年2回目の論文課題を取り上げてみます。

例:「あなたが今までに最も困難だと感じた経験から学んだことをあげ、それをこれからどのように活かしていくか述べなさい。」(2013年2回目)

 指示そのものは非常に明快ですよね。「今までに最も困難だと感じた経験から学んだこと」→「それをこれからどのように活かしていくか」という順序で述べればいいのです。
 留意すべきは、以下のような点でしょう。

★「学んだこと」の中身を端的に、わかりやすく示す
 「困難を感じた経験」が細かく述べられているのに、肝心の「学んだこと」の中身がはっきりしない、というのでは困ります。じゃあその中身をどう表現するかですが、これは消防官(を目指すもの)の立場から考えてみてください。「これからどのように活かしていくか」というのは、むろん東京消防庁消防官としてどのように活かすか、です。だとすると、「学んだこと」の中身は、可能な限り消防官の職務や消防官に求められる資質という観点から考えなくてはなりません。具体的には、「高度なチームワークを築く方法」「つねに冷静な判断と行動」「正確な情報伝達能力」「実践を想定した訓練の重要性」……など、消防官(救急隊員)の職務に直結するようなものにすべきだということです。
 
★「学んだこと」にぴったり整合した経験談を述べる
 言うまでもありませんが、この点もよくよく気をつけてくださいね。たとえば「チームワークのあり方」を学んだのであれば、それを裏付ける経験談はチームのメンバーとの関係性に焦点を当てて述べることになるでしょう。一方、「正確な情報伝達のあり方」を学んだのであれば、経験談では具体的なことばの使い方・話し方に焦点を当てることになります。まず「学んだこと」の中身をしっかり決めてから、それに沿うように自らの経験を述べるようにしましょう。

★経験談にストーリー性をもたせる
 経験談の述べ方にも暗黙の定型があります。当初はうまくいかない状態だった→問題点や課題を洗い出した→改善策を実行した→成果を上げた というストーリーにして語るのがお約束ですよね。消防官の職務の性質を考えるなら、「改善策の実行」は単独行動ではなく、チームのメンバーと力を合わせて実行した事例が望ましいでしょう。(そのうえで自分自身がリーダーシップをとり、率先して行ったという状況ならなおよし。)
 
 答案の前半に「学んだこと」+「それを裏づける経験」がきっちり述べられ、後半にそれを受け「(消防官として)どのように活かしていくか」が述べられていれば、とりあえずOK。
 では、次回は全体的な展開・段落構成について取り上げてみることにします。

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2022年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/484810628.html
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2022年03月14日

東京消防庁T類 論文試験対策2021最新版(8)

〜(7)から続く〜
 今日は、これまでとはすこし違う系統である「仕事や組織」に関する課題について考えてみることにしましょう。

例:「組織内のコミュニケーション不足が組織全体に与える影響をあげ、コミュニケーションを活性化させる方策について、あなたの考えを述べなさい。」(2015年2回目)
例:「組織において、個々の有する能力を発揮するために大切なことを2つあげ、あなたがどのように実践していくのか具体的に述べなさい。」(2016年2回目)
 
 こうしたテーマの答案をどう書けばよいでしょうか。 
 課題には「組織」とあるだけですが、ふつうに考えれば「消防組織」を想定すべきでしょう。消防組織の中でどのようにコミュニケーションを活性化すべきか、消防組織の中で個々の消防官が能力を発揮するにはどうしたらよいか、自分消防官としてどのように実践するか……というぐあいに。これまで「組織内でのコミュニケーション」「組織内での個人の能力の発揮」がテーマになっていますが、同じ系統のキーワードとしては「組織内の情報共有」「チームワーク」「組織の規律」……なども考えられます。これらがテーマになっていたらどんなことが書けそうか、あらかじめシミュレーションしておくのもよいですね。
 いっぽう、構成・段落配置についてはこれまでに説明した時事系課題式論文とほとんど変わりありません。
 東京消防庁T類の論文では、書くべき内容と順序がはっきりと指定されていることが多く、「仕事や組織」に関する課題についてもまったく同様です。たとえば、2015年2回目の課題では「組織内でのコミュニケーション不足が組織全体に与える影響」→「コミュニケーションを活性化させる方策」の順ですし、2016年2回目課題では「組織において、個々の有する能力を発揮するために大切なこと(2つ)」→「あなたがどのように実践していくか」です。
 たとえば、2015年2回目試験の論文課題を例にとり、前半の内容と後半の内容をおおまかに考えてみましょう。

例:「組織内のコミュニケーション不足が組織全体に与える影響をあげ、コミュニケーションを活性化させる方策について、あなたの考えを述べなさい。」(2015年2回目)

★組織内でのコミュニケーション不足が組織全体に与える影響
 具体的にどうなっちゃうのか、イメージしてみてください。連携がうまくとれず現場での活動でミスや遅れが増える、信頼関係が築けないのでチーム全体の士気が下がってしまう……など、いろいろな困った問題が生じます。

★コミュニケーションを活性化させる方策
 これも、自分が消防職員だったら……と具体的に想像してみれば、いろいろな方策が出てくるはず。日頃の訓練できっちりコミュニケーションをとる、ミーティング・反省会などを実施する、新人・若手に対し指導役を決める……などといったようなことから、組織内での「飲み会」「同好会」のようなインフォーマルな活動まで。

 さて、次に考えなくてはならないのは、答案をどのような段落構成で仕上げるか。これについても、基本的には時事系課題式答案と変わりありません。最低でも4段落以上になるように組み立てます。最もシンプルな構成なら、

第1段落:「組織内でのコミュニケーション不足が組織全体に与える影響」を述べる。
     これをふまえ、次段落から「コミュニケーションを活性化させる方策」を2つに分けて述べる。
第2段落:方策その1
第3段落:方策その2
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明などもつけておく)


 こんな感じでしょうか。

例:「組織において、個々の有する能力を発揮するために大切なことを2つあげ、あなたがどのように実践していくのか具体的に述べなさい。」(2016年2回目)

 こちらも同じように組み立てれば、

第1段落:「組織において、個々の有する能力を発揮するために大切なこと」を2つあげる。
     次段落からそれぞれについて、具体的にどのように実践していくのかを述べる
第2段落:実践その1
第3段落:実践その2
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明などもつけておく)


 書き出す前にこうした段落構成と、それぞれの段落にどんな内容を書くかをしっかり考えておく。そうすれば、大きな失敗はしないでしょう。なお、並列構造を使って「コミュニケーションを活性化させる方策」や「どのように実践していくのか」を大きく2つに分ける場合には、なるべく明快なキャッチフレーズにして表現します。続けて、具体的な取組事例を挙げて説明するスタイルに。そのさい、以下のような点にくれぐれも注意してください。(すでに述べたことの繰り返しになりますが……。)

▲2つ(以上)のキャッチフレーズは、内容がかぶらないように設定する
 論点を分割するさいに、「これって結局同じことじゃないか」と思われてしまうような分け方では意味がありません。あくまで異なる視点で分けなくてはならないということです。
▲キャッチフレーズで示した方向性と、それに続けてあげた具体的事例の内容がずれないように気をつける
 たとえば、「日頃の訓練でしっかりコミュニケーションをとる」というポイントを先にあげてからその具体例を述べる場合、いつのまにか仕事以外でのつきあいも大切にしよう……みたいな話になっていたらおかしいですよね!

 次回は、自らの経験に基づいて述べる「作文」系の課題を取り上げたいと思います。

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2022年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
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2022年03月11日

東京消防庁T類 論文試験対策2022最新版(7)

〜(6)から続く〜
 今回は2017年〜2020年1回目にかけて続いた「グラフ読み取り形式」の課題についての注意点をまとめておきましょう。
 「グラフ読み取り形式」も内容的には時事系の課題式論文に属しますから、論点を2つに分割して(並列構造を採用して)述べるといった構成法はそっくりそのまま当てはまります。ただ、答案の最初に「グラフから読み取れる傾向や課題」を述べなくてはならない点に注意! 早合点は禁物で、出題者はいったいどのような内容を読み取ってほしいのかを冷静に考えてみる必要があります。
 たとえば、2017(平成29)年2回目試験の課題では「高齢者人口と割合の推移」の棒グラフが示されたのですが、それを見てただ高齢化のグラフだな……としか思わないようなら、出題者の意図をまったく読み取れていないことになります。わざわざこのグラフが選ばれたのはなぜなのか。そこをよく考えないといけないのです。
 2018(平成30)年2回目試験や2019(令和元)年1回目試験のような課題ならば、「アンケート結果」の読み取りがカギです。回答者の多い項目にこだわってください。アンケート結果を無視した内容を書いていく、ということが決してないように。

例:「資料『救急車を呼んだ理由』から読み取れる課題と対応策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。」(2019年1回目)

 資料(グラフ)は割愛しますが、かりにこの問題であれば、答案では指示通りに、必ず「グラフから読み取れる課題」⇒「対応策」の順に述べなくてはなりません。ただし「読み取れる課題と対応策について述べなさい」とあるだけで、「課題を2つあげなさい」といった指示はないので、

・おおまかに課題を1つだけ示し、続けて対応策を2つ(以上)に分けて述べる
・最初から課題を2つ示し、それぞれについて対応策を述べる

 
 どちらの構成を用いても構いません。(自分にとって書きやすいほうでOK。)
 かりに課題を1つだけ示し、対応策を2つに分けるのであれば、

第1段落:グラフから読み取れる課題をあげる
第2段落:課題への具体的な対応策−1
第3段落:課題への具体的な対応策―2
第4段落:まとめ・しめくくり


 このような4段落構成が最もシンプルなかたち。あるいは、火災に関する現状をまとめて述べた「前置き(テーマの背景)」の段落を最初に置いて、

第1段落:前置き・導入部分(=火災をめぐる現状)
第2段落:グラフから読み取れる課題をあげる
第3段落:課題への具体的な対応策―1
第4段落:課題への具体的な対応策―2
第5段落:まとめ・しめくくり


 としても構いませんよね。
 一方、最初から「読み取れる課題」をはっきり2つに分け、それぞれに「対応策」を述べるのであれば、

第1段落:グラフから読み取れる課題−1
第2段落:課題―1への対応策
第3段落:グラフから読み取れる課題−2
第4段落:課題―2への対応策
第5段落:まとめ・しめくくり
  

 たとえばこんな段落構成になるでしょう。

 時事系課題式論文の書き方については以上です。
 次回からは別の系統の課題(「仕事や組織」に関わる課題)を取り上げ、答案の書き方を考えてみることにしましょう。

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2022年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
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2022年03月08日

東京消防庁T類 論文試験対策2022最新版(6)

〜(5)から続く〜
 課題式論文の答案に「東京消防庁の取組み」をどの程度詳しく具体的に書き込むべきなのか、という質問をよくされるので、その点について筆者なりに答えておきましょう。
 確かに、答案に述べる取組みの内容があいまい・あやふやであったり、実現性のない単なる思いつきであったりすると説得力がありません。実際に東京消防庁が進めている取組みについては、(ものすごく細かくではなくても)ある程度知っておくべきです。
 東京消防庁の取組みを知るうえで、
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/portal/data/keikaku.pdf
 このような資料がまとまっていて便利だったのですが、残念ながら2017年のものなので内容的にかなり古くなってしまっています。
 新しい情報までカバーするのなら、「東京の消防白書(2021年版)」などで探すほうが確実ですね。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-kikakuka/gyouseigaiyou/hakusyo2021.html
 なお、具体的な取組み事例を答案中に盛り込む場合は、「東京消防庁はいま○○○に取り組んでいる。」のように、ただ事実を並べるだけだとまずいので気をつけて! 論文というのはあくまで自分自身の考えを述べるもの。たとえば、「こうした取組みをさらに強化していくべきだ(と考える)。」のように、あくまで自分の考えとして述べておくようにしてください。
 東京消防庁がいま進めている取組みをベースに、それを別の分野にも応用する・別の面からのアプローチも考えてみる……といったような提案ができれば、いっそう説得力が増すでしょうね。(ただ、そのレベルまでは求められませんが。)

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
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2022年03月05日

東京消防庁T類 論文試験対策2022最新版(5)

〜(4)から続く〜
 ここまで、
・指示に合わせて「問題点/課題/影響」⇒「取組み/対応策」の順に述べる
・場合によっては冒頭に「現状」をまとめた段落を置く
・論点は必ず2つに分ける(並列構造を採用する)

 という答案構成法を説明してきました。
 東京消防庁消防官T類採用試験の過去問の多くでは「課題」⇒「対応策」、「影響」⇒「取組み」のような順序が指定されているため、こうした方法で適当な段落配置を決めることができます。しかし、ときにイレギュラーな課題が出されることもあります。

例:「さまざまな情報を収集・発信することが容易にできる現在の社会環境のメリットとデメリットをあげ、それについてあなたの考えを述べなさい。」(2013年1回目)

 この課題には「メリットとデメリット」をあげなさいとあるだけで、取組みや対応策を書けという指示はありませんよね。ただ、課題式論文の答案では、とくに指示されていなくても「取組みや対応策」を論じるのがあたりまえです。したがって、「メリットとデメリット」に「取組みや対応策」を加えた構成を自分で作ってしまえばよいでしょう。たとえば、

第1段落:メリットを説明する
第2段落:メリットを活かす具体的な取組み
第3段落:デメリットを説明する
第4段落:デメリットを克服する具体的な取組み
第5段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 などとすると読みやすいですね。(上の例ではいきなり「メリット」の説明から始めていますが、冒頭に「現状」をまとめた段落を置く手もあります。)

例:「デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が人間社会にどのような影響を与えるのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。」(2021年)

 この課題はどうでしょう。書くように指示されているのは「DXの実現が人間社会に与える影響」だけですが、「取組みや対応策」を加えた段落構成を考えてみてください。

第1段落:DXの実現が人間社会に与える影響
第2段落:対応策−1
第3段落:対応策−2
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


第1段落:DXの実現が人間社会に与える影響−1
第2段落:対応策−1
第3段落:DXの実現が人間社会に与える影響−2
第4段落:対応策−2
第5段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 たとえばこんな構成をイメージできるでしょう。(もちろん、冒頭に「DXの現状」や「DXという言葉の意味(定義)」を述べた段落を置く書き方もできます。)

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2022年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
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2022年03月01日

東京消防庁T類 論文試験対策2022最新版(4)

〜(3)から続く〜
 今回は冒頭段落の書き方について、すこし補足しておきたいと思います。
 公務員論文(行政論文)では、与えられたテーマに関する「現状(や背景、事実経過)」を最初の段落に述べるというスタイルがよく採られます。したがって、

例:「少子高齢化が社会に及ぼす影響をあげ、それに対する消防行政の取組みについて、あなたの考えを述べなさい。」(2014年2回目)

 この課題であれば、「少子高齢化が社会に及ぼす影響」に先立ち、冒頭段落に「少子高齢化の現状」を短くまとめて述べておくという手があるわけです。
 その場合は、以下のような段落構成になるでしょうね。

第1段落:少子高齢化の現状をデータ(数字)などをあげて述べる
第2段落:少子高齢化が社会に及ぼす影響を述べる
第3段落:消防行政の取組み−1
第4段落:消防行政の取組み−2
第5段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


第1段落:少子高齢化の現状をデータ(数字)などをあげて述べる
第2段落:少子高齢化が社会に及ぼす影響−1
第3段落:消防行政の取組み−1
第4段落:少子高齢化が社会に及ぼす影響−2
第5段落:消防行政の取組み−2
第6段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 なお、2つめの構成では第2段落と第3段落、第4段落と第5段落をまとめて、

第1段落:少子高齢化の現状をデータ(数字)などをあげて述べる
第2段落:少子高齢化が社会に及ぼす影響−1+消防行政の取組み−1
第3段落:少子高齢化が社会に及ぼす影響−2+消防行政の取組み−2
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 というふうにしてもとくに問題はありません。
 別の課題についても同じように考えてみましょう。

例:「先般発生した、平成28年熊本地震における災害について、あなたが問題と感じることを2つあげ、その解決方策について述べなさい。」(2016年1回目)

 出題者は「問題」を2つあげるように指示しています。なので、最初の段落でいきなり「問題」の中身を述べる書き方でも構わないのですが、それに先立って、2016年に起きた熊本地震の概要(事実経過)を最初の段落にまとめて書く手もあります。

第1段落:熊本地震の概要をまとめて述べる
第2段落:熊本地震での問題−1
第3段落:それに対する解決方策−1
第4段落:熊本地震での問題−2
第5段落:それに対する解決方策−2
第6段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 たとえば、こんな組み立てですね。
 最初の段落に「現状」や「事実経過」だけをまとめて述べる書き方にはいろいろなメリットがあります。基本的にただ「現状」「事実」を述べるだけなので、簡単に書けて字数をかせげるという点もその一つですね。(簡単に書けるといっても、もちろん「現状」「事実」に関する知識はあらかじめストックしておく必要がありますが。)
 現状を述べる段落ではできれば具体的な数字や日付も盛り込むとよいでしょう。細かい数字をたくさんあげる必要はありませんが、印象の強い数字だけをさらっと入れておく感じ。「日本の高齢化率は約29%に達しており」「2020年のわが国の人口の自然減は約53万人」といったぐあい。やはり説得力が違いますからね。いうわけで、主要なデータ(数字など)は事前にチェックしておきましょう。(なるべく最新のデータを! 5年も10年も前の数字を挙げられても困ります。)
 いったいどのようなデータを調べておくとよいのか。テーマごとにその例をあげてみます。

◆少子高齢化:高齢化率 合計特殊出生率 人口の減少数(とくに自然減) 将来の推計人口……
◆火災:住宅火災の主要な原因の順位 火災死者のうち高齢者が占める割合 住警器の普及率……
◆救急:救急出場件数の推移(とくに東京消防庁管内) 現場到着や病院到着までの平均時間の推移…… 
◆情報化:インターネットや携帯電話・スマホの普及率(とくに年代による違い)……
◆災害:近年の大規模災害の名称と発生時期
→東日本大震災(2011年3月11日)や熊本地震(2016年4月)、西日本豪雨(2018年7月)、令和元年台風19号(2019年10月12日上陸)など。2021年に発生した災害には東日本大震災の余震だった福島県沖地震(2021年2月)、熱海市の土石流災害(2021年7月)、関東南部で震度5弱を観測した東京・埼玉地震(2021年10月)……などがある。もし答案に書くのなら、名称や時期を間違えないように!


 近い将来に起きるといわれている首都直下地震や南海トラフ巨大地震の想定被害規模などの数字もできればチェックしておきましょう。
 これらのデータ(数字)を調べる過程で、自然と「現状」「事実経過」に言及したさまざまな文例にもふれることになり、第1段落を書くときには大いに参考になるでしょう。

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2022年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/484810628.html
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2022年02月26日

東京消防庁T類 論文試験対策2022最新版(3)

〜(2)から続く〜
 東京消防庁消防官T類の論文試験での制限字数は800字以上〜1200字程度です。大半の受験者は1200字近くまで埋めようとがんばっていますから、途中で書くことがなくなってしまうような事態(ネタ切れ)は絶対に避けなくてはなりません。そのためには、論点を2つ(以上)に分けて述べる並列構造を採用すべきです。与えられた課題で論点を2つあげるように求められるケースもありますが、そうでなくても、とらえ方の異なる論点をしっかり2つ設定し、それぞれ具体的な事例を盛り込んで書くようにふだんから心がけるとよいでしょう。
 ただし、論点を2つに分ける(並列構造を採用する)といっても、実際の構成・段落配置は一通りではありません。

例:「少子高齢化が社会に及ぼす影響をあげ、それに対する消防行政の取組みについて、あなたの考えを述べなさい。」(2014年2回目)

 この課題では、「少子高齢化が社会に及ぼす影響」⇒「それに対する消防行政の取組み」という順序だけが指定されており、「影響」と「取組み」をいくつ挙げるかは自由です。そこで、論点を2つに分けるとすれば、
A:「影響」をまとめて述べ、「取組み」のほうを2つに分けて述べる
B:「影響」をはっきり2つに分けて述べ、それぞれに「取組み」を述べる

 の2通りの書き方がありえますよね。
 A型で行く場合は、

第1段落:「少子高齢化が社会に及ぼす影響」をあげる
     これをふまえ、次段落から消防行政の取組みを2つに分けて述べる。 *たとえば「高齢者の安全を守る取組み」+「地域の防災力を高める取組み」とか。
第2段落:高齢者の安全を守る取組み→その具体的事例
第3段落:地域の防災力を高める取組み→その具体的事例
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 こんな段落配置になりますね。いっぽう、B型で行くのなら、

第1段落:少子高齢化が社会に及ぼす影響−1 (「災害時に高齢者の被害が増える」など)
第2段落:それに対する取組み (たとえば高齢者の安全を守る具体的な取組みなど)
第3段落:少子高齢化が社会に及ぼす影響−2 (「地域を支える人材が不足する」など)
第4段落:それに対する取組み (たとえば地域の防災力を高める具体的な取組みなど)
第5段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 こんな感じでしょう。

例:「資料『救急車を呼んだ理由』から読み取れる課題と対応策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。」(2019年1回目)*資料は省略

 こちらの課題もまったく同様。A型で行くなら、

第1段落:「資料から読み取れる課題」をまとめて述べる
第2段落:対応策−1
第3段落:対応策−2
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 また、B型で行くなら、

第1段落:資料から読み取れる課題−1
第2段落:(課題−1について)対応策−1
第3段落:資料から読み取れる課題−2
第4段落:(課題−2について)対応策−2
第5段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 こういう段落配置になるでしょうね。
 課題の指示をふまえるとABどちらの型でも構わないので、書きやすいほうを採用すればよいわけです。答案を書き出す前にこうした段落配置と、それぞれの段落にどんな内容を書くかを決めておけばスムーズに書き進めることができます。
 なお、「取組み」や「解決策」を述べる場合には「高齢者の安全を守る取り組み」「地域の防災力を高める取り組み」のような(取組みや解決策の)カテゴリをわかりやすい言い方で示し、それぞれ具体的な事例を挙げて説明するスタイルにします。そのさい、以下のような点にくれぐれも注意しましょう。

▲内容がかぶらないようにカテゴリを設定する
 取組みや解決策を大きく2つに分ける場合、「2つとも結局は同じことじゃないか」と思われてしまっては意味がありません。あくまで違う視点にたって分けなくてはならないということです。
 また、「同じ内容」とは言えなくても、一方がもう一方を含むような関係であればダメです。たとえば、2つの論点を「地域防災力の強化」と「地域における防災訓練の実施」のように分けるのは明らかに不自然でしょう。(後者は前者に含まれているはずだから。)
▲カテゴリと具体的事例の内容がずれないように気をつける
 たとえば、「地域の防災力を高める取組み」を述べているはずなのに、具体的事例がどうもそのカテゴリにあてはまっていないといったようなミスがしばしば見受けられます。「地域の防災力を高める取組み」に続けてあげることができる具体的な事例とは、
・地域における防災訓練、避難訓練
・消防団員の増員
・住民に向けた広報活動
 ……などの内容でしょう。「地域の防災力を高める取組み」の後に、消防機関の装備の高度化だとか、警察や自衛隊との連携といった内容をあげるのは明らかにおかしいはずです。
(次回に続く)

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2022年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/484810628.html
posted by TP at 07:00| 論文試験対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする