2021年03月05日

東京消防庁T類 論文試験対策2021最新版(3)

 東京消防庁消防官T類の論文試験での制限字数は800字以上〜1200字程度。大半の受験者は1200字近くまで埋めていますから、途中で書くことがなくなる事態は絶対に避けなくてはなりません。そのためには、論点を2つ(以上)に分けて述べるべきです。論点を2つあげるように求められることもありますが、そうでなくても、とらえ方の異なる論点をしっかり2つ設定し、それぞれ具体的な事例を盛り込んで書くようにふだんから心がけておきましょう。。
 具体的な段落配置としては、たとえば以下のように、最低でも4段落以上で組み立てるようにするとよいですね。

例:「少子高齢化が社会に及ぼす影響をあげ、それに対する消防行政の取組みについて、あなたの考えを述べなさい。」(2014年2回目)

第1段落:「少子高齢化が社会に及ぼす影響」をあげる
     これをふまえ、次段落から消防行政の取組みを2つに分けて述べる。 *たとえば「高齢者の安全を守る取組み」+「地域の防災力を高める取組み」とか。
第2段落:高齢者の安全を守る取組み→その具体的事例
第3段落:地域の防災力を高める取組み→その具体的事例
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


例:「先般発生した、平成28年熊本地震における災害について、あなたが問題と感じることを2つあげ、その解決方策について述べなさい。」(2016年1回目)

第1段落:「熊本地震での問題」をはっきり2つあげる
     次の段落からそれぞれの問題に対する解決策を述べる
第2段落:問題1→それに対する解決策
第3段落:問題2→それに対する解決策
第4段落:しめくくり(最後に自らの決意表明も付け加える)


 書き出す前にこうしたおおまかな構成を考え、それに落とし込んでいくようにすれば、大きな失敗はせずにすみます。なお、並列構造を使う場合、「高齢者の安全を守る取り組み」「地域の防災力を高める取り組み」のような(解決策・取組みの)カテゴリをわかりやすい言い方で示し、それぞれ具体的な事例を挙げて説明するスタイルにします。そのさいは以下のような点に注意しましょう。
▲内容がかぶらないようにカテゴリを設定する
 論点を分割するさいに、「これって結局同じことじゃないか」と思われてしまうようでは意味がありません。あくまで違う視点にたって分けなくてはならないということです。
▲カテゴリと具体的事例の内容がずれないように気をつける
 たとえば、「地域の防災力を高める取組み」を述べているはずなのに、具体的事例がどうもそのカテゴリにあてはまっていないといったミスがしばしば見受けられます。
(次回に続く)

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、実際の過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2021年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/480170884.html
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2021年03月04日

東京消防庁T類 論文試験対策2021最新版(2)

〜(1)から続く〜
 まずAタイプの論文課題を取り上げます。こうした課題(たとえば「防災」「少子高齢化」「国際化」……など)で書く場合には、ある程度の予備知識はどうしても必要です。テーマごとに現状や課題、主要な取り組みなどをまとめてインプットする努力はおこたらないでくださいね。
 それでは、答案の組み立て方を説明します。東京消防庁T類の論文では基本的に「社会に及ぼす影響」+「消防行政の取組み」とか、「問題点/課題」+「解決策/取組み」というふうに、前半と後半に書くべき内容がハッキリと分けて指定されています。したがって、それぞれどのような内容を書くべきかをしっかり検討する必要があります。
 実際の過去問題を取り上げてみましょう。

「少子高齢化が社会に及ぼす影響をあげ、それに対する消防行政の取組みについて、あなたの考えを述べなさい。」(2014年2回目)

 いかがでしょう。指示はたいへん明確です。まず「少子高齢化が社会に及ぼす影響」を述べ、続けて「それに対する消防行政の取組み」を述べればよいのです。
 
★「少子高齢化が社会に及ぼす影響」
 「労働力不足→経済規模縮小」などが思いつきやすいのですが、ちょっと待ってください。あくまで「消防行政」の観点、すなわち消防の仕事に関連する影響を考えるべきですよね。
 たとえば、
・災害や事故における高齢者の被害の増加
 などがあげられるでしょう。事実、人口構成の高齢化の影響で、地震・豪雨などの自然災害や火災による死者のうち高齢者が占める割合は近年、非常に高まっています。
 他には何があるでしょう?
 高齢者が増える一方、若者や働き盛りの世代が減っていく。それは、いざというときに地域の安全を守る力が弱まっていくということですね。事実、地域防災の担い手である消防団員数の減少・団員の高齢化はかなり深刻になっています。
・地域における防災力の低下
 こうした面も見過ごせません。

★それに対する消防行政の取組み
 「それに対する」という表現に気をつけてください。最初に述べた「影響」にきっちり対応する取組みを述べなくてはなりません。たとえば、社会的影響として「社会保障制度の維持が困難になる」といった内容をあげて、それに対する取組みとして「若い世代の消防団員を増やす」と述べても全然意味がわかりませんよね。
 先にあげた影響を例にとれば、
(少子高齢化が社会に及ぼす影響)災害や火災における高齢者の被害の増加
→(それに対する消防行政の取組み)住警器の普及を促進する、災害時要援護者名簿の共有・活用を図る、高齢者向けの防災訓練・防災教育をくふうする……

(少子高齢化が社会に及ぼす影響)地域における防災力の低下
→若い世代の防災の担い手を増やす(サラリーマン、学生、女性の消防団員を増やす)……


 というぐあいに、「影響」と「消防行政の取組み」がきちんとかみ合うように考えてみることが大切です。
 もう一つやってみましょうか。

「住民の防災への意識を高めるための現状の課題をあげ、消防職員としてどのような取組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。」(2015年1回目)

★住民の防災への意識を高めるための現状の課題
・防災において重要な役割を果たす地域コミュニティが衰退してきている ⇒どうやって地域での防災意識を高めていくか
・大規模災害をきっかけに一時的に防災への関心が高まっても、時間がたつと危機感が薄れてしまう ⇒ どうやって高い関心を保つか
・高齢者や外国人など災害時要配慮者の増加 ⇒ 彼らの安全を守る対策をどのように進めていくか

 ……などなど。

★消防職員としてどのような取組みが必要か
・消防団員の増員
・学校での総合防災教育
・防災訓練の内容の工夫
・要配慮者対策の強化

 ……などなど。

 それでは次回は、論文全体の構成(つまり段落の配置)をどうするのかという点について考えてみます。

※東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html
※なお、過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2021年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/480170884.html
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2021年03月03日

東京消防庁T類 論文試験対策2021最新版(1)

*東京消防庁T類論文の実際の過去問については、以下のページにまとめてありますのでご覧ください。
https://tokyoshobo.uijin.com/contents03.html

 
 東京消防庁T類の近年の論文課題を見ると、2017(平成29)年1回目から2020年度1回目までは、与えられたグラフやアンケート結果などを読み取って論述する形式が続きました。2020年度2回目では傾向がガラリと変わり、「社会人として必要なもの」を論じるという作文のような課題になりましたが、今後、こうした課題が続くのかはちょっとわかりません。(2020年度2回目試験は「追加募集」のようなかたちで急きょ実施された経緯があるため。)したがって、2021年度採用試験を受験するみなさんは、グラフを読み取る形式を想定して答案を書く練習をする一方で、「仕事」に関わる作文のような課題でも書けるように備えておくのがよいと思います。
 ここ10年くらいの問題を眺めると、東京消防庁T類の論文課題はだいたい以下のようなタイプに分けることができます。

A:時事的・社会的なテーマについて、対応策や取組みを述べさせるもの
 2017年1回目から2020年1回目まで、7回続いた「グラフ読み取り」形式の課題も、内容的にはこのタイプに属します。
 与えられるテーマは「地震」「防災意識」「火災」「救急」など消防の業務に直接関連するものから「少子高齢化」「国際化」「情報化」など、広く社会環境の変化に関わるものまでさまざまです。

B:組織や仕事のあり方に関わるもの
 2020年度2回目の課題もそうですが、すこし以前の過去問では2016年度2回目、2015年度2回目などもこのタイプ。

C:ある特定のテーマに関連し、「自らの経験」を踏まえて考えを述べさせるもの
 2013年度2回目、2012年度2回目などで出題されています。

D:「都民が東消に期待していること」など、東京や都民に焦点を当てたもの
 2011年度2回目の出題などが典型です。

 直近の過去問を見るかぎり、AタイプまたはBタイプが出題される可能性が高いか? ただ、CやDのようなタイプが久しぶりに復活する可能性も考えられます。
 以上より、まずはAタイプとBタイプの答案の書き方をしっかり検討していきたいと思います。それが終わったら、念のためにCタイプ、Dタイプの答案の書き方にも言及するつもりでいます。
 (次回に続く。)

※なお、過去問の答案例やくわしい解説は『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2021年受験版)』に収録しています。内容については以下をご覧ください。参考にしていただければ幸いです。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/480170884.html
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2021年02月27日

東京消防庁T類論文対策資料集 最新版

 近年の東京消防庁消防官T類の論文試験では、「防災(地震など)」をはじめ「高齢化」「国際化」など、最新の情勢をふまえたうえで消防行政のあり方を論じさせるものや、統計グラフ・アンケート調査結果をもとに論じさせるものなど、予備知識やトレーニングを要するテーマが多く出題されています。そこで、T類の論文試験に臨むみなさんを想定し、論文試験対策資料集(2021年2月版)を作りました。資料集は以下5つの章に分かれています。

(1)押さえておきたい論点
 防災に関する主要な論点ごとにポイントを簡単にまとめました。
(2)主要資料別  〜読んでおきたい部分〜 
 「東京の消防白書」「消防白書」「防災白書」…など主要な資料ごとに、ぜひ目を通しておきたい部分を抜粋し、まとめています。
(3)東京消防庁「消防に関する世論調査」結果より
 2017(平成29)年1回目や2018(平成30)年2回目、2019(令和元)年1回目の論文試験は「消防に関する世論調査」の調査結果から出題されました。今後もここから出される可能性があるため、いくつか気になる項目の調査結果とそこから読みとれる内容を簡単にまとめています。
(4)グラフを読み取る練習
 過去問を見ると、「消防に関する世論調査」の他にも実にいろいろなグラフから出題されています。そこで、この章では与えらえたグラフを見て「問題点/課題/傾向」を読み取り、「対応策/取組」を考える練習をします。
(5)「組織や仕事」をめぐる論点の整理
 社会的な課題について論じさせるテーマの他に、組織や仕事のあり方をめぐるテーマが出されることもあります。この章では「組織や仕事」に関連する主要なキーワード(論点)を解説しています。

※論文試験対策資料集(2021年2月版)は、「論文試験対策テキスト(2021年版)」の付録にしています。
⇒ 教材リスト
 参考にしていただければ幸いです。[TPLabo]
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2021年02月23日

東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト(2021年受験版)

 『東京消防庁消防官T類 論文試験対策テキスト』の最新2021年版を公開しました。
⇒ https://tokyoshobo.uijin.com/contents11.html (教材リスト)
 東京消防庁消防官T類採用試験の志望者を対象とした論文試験対策講座、説明会などで使った筆者のオリジナル資料をベースに書き下ろしたのが本書です。論文答案をどのように書けばよいのかよくわからないという人を対象に、「短期間に最低限の水準をクリアできるようにする/完璧でなくても失敗しないようにする」方針で編集しています。 
 ブログ記事(直前対策シリーズ記事)でも論文試験対策を扱っていますが、本教材では実際の過去問を取り上げ、くわしく解説しています。最新2020(令和2)年度2回目試験までの過去問テーマを「時事的・社会的課題」系、「資料読み取り」型、「組織や仕事」に関わるものなど大きく4系統に分け、それぞれ典型的な過去問について答案構成の過程を説明し、具体的な答案例も示しました。取り上げたのは2011(平成23)年〜2020(令和2)年に出された過去問のうち16題。旧版(2020年版)に収録したものに最新の試験2回分(2020【令和2】年度1回目・2回目)の過去問も新たに盛り込んでまとめています。)
 また、本体の教材の他に、T類の論文答案作成に役立つ知識・論点・着眼をさまざまな視点からまとめた「論文試験対策資料集(2021年2月版)」(別ファイル/30ページ分)も付録にしています。こちらも論文対策に役立てていただければ幸いです。[TPLabo]
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2020年12月29日

東京消防庁T類論文対策 グラフ・表の読み取り練習(題材一覧)

 T類論文試験はここのところずっと「グラフ・表の読み取り」形式が続いています。この手の論文では、グラフ・表を適確に読み取れるかどうかがきわめて重要。なぜこのグラフ・表が与えられたのか? 出題者の意図をよく考えなくてはなりません。(当然、出題者側は「このグラフからは、このような傾向や課題が読み取れるはずだ」と想定しているわけですから。)最初の読み取りのところで外してしまうと、どんなに整った答案を書いても良い評価は得られません。そこがこの手の論文課題の怖いところです。
 2回目試験の論文が「グラフ・表の読み取り」形式になるかどうかはわかりませんが、そうなる可能性は高いでしょう。そこで、対策としていろいろなグラフ・表を見て読み取れる傾向(課題)をまとめる練習をしておくことをおすすめします。
 これまでも読み取りの練習に関わる記事をいくつもアップしてきましたが、ばらばらになっていましたので、見やすいようにリスト化しておきます。
 「読み取り」の練習をするさいには、効果を高めるためにぜひ以下のようなやり方をしてみてくださいね。

*まずはグラフ・表だけを見て自分なりに考えてみる。(解説の部分を先に読まないで!)
*たとえば、グラフを見始めてから「5分以内」というふうに制限時間を短く切って取り組む。(試験本番ではゆっくりしていられませんので……。)
*ただ見て考えるだけでなく、読み取れた傾向(課題)は必ず自分のことばで表現する。(メモ用紙をお手元にどうぞ。)


<グラフ・表の読み取り練習 題材一覧>

★インターネット利用機器の状況(年齢階層別)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201800_001.pdf
 こちらの資料のp.36「図表7−4 主なインターネット利用機器の状況(年齢階層別)」のグラフを見て、「読み取れる傾向」を2つ以上挙げて、わかりやすく説明してください。(できれば。それぞれについて考えられる行政の対応策・取組みも考えてみてください。)

★行っているセキュリティ対策(男女・年齢階層別)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201800_001.pdf
 こちらの資料のp.63「図表9−7 行っているセキュリティ対策(平成30年、男女・年齢階層別)」の表を見て、「読み取れる傾向」を2つ以上挙げて、わかりやすく説明してください。(できれば。それぞれについて考えられる行政の対応策・取組みも考えてみてください。)

※元の記事は以下の2本です。
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/478849622.html(出題編)
⇒ https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/478849900.html(解説編)

★消防団員の被雇用者化・年齢構成比率の推移
https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/474756526.html
 こちらの記事中のグラフ「消防団員数及び被雇用者である消防団員の割合の推移」「消防団員の年齢構成比率の推移」を見て、何が読み取れますか?

★高齢者の日常生活事故の種類別構成割合・発生場所別搬送人員
https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/474998290.html
 こちらの記事中のグラフ「年齢別の事故の種類別構成割合」「発生場所別搬送人員」を見て、何が読み取れますか?

★事故種別の救急出動件数・搬送人員の推移
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/c941509de3f85432709ea0d63bf23744756cd4a5.pdf
 こちらの資料のp.3「図5 事故種別の救急出動件数と5年ごとの構成比の推移」およびp.4「図7 事故種別の搬送人員と5年ごとの構成比の推移」のグラフを見て、何が読み取れますか?

※元の記事は以下になります。
https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/479192986.html
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2020年12月21日

T類論文対策 以前の練習用課題について

 新しくT類論文の直前練習用の課題と答案例を作ってみようかな……と思っていたのですが、スケジュール的に厳しくなってきました。
 とりあえず、今年(2020年)4〜6月に1回目試験向けに公開した練習課題(対策課題)が3題あります。そのうち、グラフ・資料読み取り形式は2題。

https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/474756526.html
(T類論文対策の練習用課題−1 消防団員の年齢構成比率の推移から読み取れる課題と対応策)
https://tokyoshobosiken.seesaa.net/article/474998290.html
(T類論文対策の練習用課題−2 高齢者の日常生活事故に関して読み取れる課題と対応策)

 とくに練習課題−2は、2020年8月の試験で実際に出題された課題とタイプ的に似ていると思います。(2種類のグラフ・資料を読み取る点で。)2回目試験(2021年1月)を受験予定で未見の方がいらっしゃれば、チャレンジしてみてください。
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2020年12月12日

東京消防庁T類採用試験 論文試験対策の練習用課題(解説)

※練習用課題は こちらの記事 で確認してください。以下は解説です。(解説を読む前に、ぜひ自分で時間をとって考えてみてください。)

「読み取り」の練習用課題―1
 冷静に眺めればいろいろなことを読み取れるはずです。
 たとえば、スマホの利用率やパソコンの利用率を年代ごとに追っていけば、
(1)スマホを利用する人の割合を見ると、高齢者は他の年代に比べて非常に低い。
(2)パソコンを利用する人の割合を見ると、19歳以下の若い年代では他の年代に比べて非常に低い。

 ……などと説明できるでしょう。
 また、スマホだけ、パソコンだけを見て説明するのではなく、スマホとパソコンの利用率の関係について述べることも可能ですね。
(3)若い世代ではスマホを利用する人の割合がパソコンを利用する人の割合よりも大きいが、高齢になると逆転し、パソコンを利用する人の割合のほうがスマホを利用する人の割合よりも大きくなる。
 他に何かないでしょうか?
 たとえば、携帯電話に着目すると、
(4)スマホではなく携帯電話を利用している人の割合は高齢になるにしたがって大きくなる。(80歳以上ではスマホの利用者よりも多い。)
 ……という点も指摘できますね。
 いかがでしょうか。2つ以上の傾向をはっきり別々に述べることができたでしょうか。
 それぞれについての行政の対応策・取組みについても、
(3)→若い世代にはスマホ利用者を想定した情報発信に重点を置き、高齢世代に対してはパソコン利用者を想定した情報発信に重点を置く
(4)→携帯電話しか利用しない高齢者が不利を被ることがないように配慮する/高齢者のスマホ利用を促進・支援する

 こうした方向でいろいろ考えてみることができます。

「読み取り」の練習用課題―2
 こちらもいくつか例を挙げておきます。
(1)「ソフトウェアを最新のものに更新する」と回答した人の割合は(男女ともに)70歳以上の高齢者で非常に低くなっている(40%未満)。
(2「ウイルス対策ソフトをインストールする」と回答した人の割合は、他の項目に比べても性別による差が非常に大きい。(男性が57%に対し女性は42%なので、15%もの開きがある。)
(3)「ソフトウェアを最新のものにインストールする」「ウイルス対策ソフトをインストールする」など、習慣化・自動化しやすい項目は行っている人の割合が高い(50%以上)が、「アプリの利用条件を必ず確認し、同意可能なアプリのみダウンロードする」「個人情報の入力を控える」など、ケースバイケースで判断しなくてはならない項目については行っている人の割合が低い(10〜20%台)。

 いかがでしょうか。表の数字を見ていると、いろいろ気づくことがあると思うのですが……。
 それぞれについての行政の対応策・取組みについても、
(1)→高齢者に対して常にソフトウェアを最新のものに更新するように呼びかける
(2)→女性に対してウイルス対策ソフトのインストールを呼びかける
(3)→ケースバイケースでの判断が求められる行動についてとくに注意喚起する

 ……のように対応させて考えていくことができるでしょうね。
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2020年12月06日

東京消防庁T類採用試験 論文試験対策の練習用課題

(すぐ前の記事の続きです)

 「グラフ・資料読み取り」形式を想定し、ちょっとした練習用課題を提示しておきます。
 2020年8月に実施された論文試験に出たグラフ・表の出典は、総務省の「平成30年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」でした。この資料の他のページに掲載されているグラフ・表を用いて「読み取れる傾向」をまとめるという練習をしてみましょう。
 グラフ・表からの読み取りというと、教養試験の「資料解釈」問題を思い浮かべますね。しかし、「資料解釈」は選択肢に述べられた内容が正しいかを検証する作業がメイン。与えられたグラフ・表の内容から傾向を読み取り、自分のことばで述べるというのはまったく別の作業ですので、違ったトレーニングが必要となります!

「読み取り」の練習用課題―1
 以下の資料(「平成30年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」)を見てください。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201800_001.pdf
 36ページに「図表7−4 主なインターネット利用機器の状況(年齢階層別)」という横棒グラフが掲載されています。このグラフを見て「読み取れる傾向」を2つ以上挙げて、わかりやすく説明してください。(できれば。それぞれについて考えられる行政の対応策・取組みも考えてみてください。)

「読み取り」の練習用課題―2
 以下の資料(「平成30年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」)を見てください。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201800_001.pdf
 63ページに「図表9−7 行っているセキュリティ対策(平成30年、男女・年齢階層別)」という表が掲載されています。この表を見て「読み取れる傾向」を2つ以上挙げて、わかりやすく説明してください。(できれば。それぞれについて考えられる行政の対応策・取組みも考えてみてください。)

※「読み取れる傾向」は必ず2つ以上(可能なら3つくらい)、別々に挙げて述べてください。与えられたグラフ・表から多角的にいろいろなことを読み取るのがこの練習のねらいだからです。
※できればグラフや表を見始めてから5分以内にまとめてみてください。(試験本番では、そんなにゆっくり考えている余裕がないので。)

 解説記事は12月13日頃をめどにアップするつもりです。
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東京消防庁T類採用試験 論文試験直前対策(2020年12月版)

 東京消防庁消防官のT類採用試験における論文答案の書き方や、さまざまな出題パターンについては、2020年2月〜3月に掲載していた論文試験対策記事シリーズ(2020年版)や、教材「論文試験対策テキスト」で詳しく解説しています。未読の方は一度、目を通していただけると幸いです。

◆論文試験対策記事シリーズ
→ ブログの「論文対策」記事カテゴリ こちらの2020年2月〜3月にかけて掲載しています(全9回)。
◆論文試験対策テキスト
→ 教材リスト こちらをご覧ください。

 ご存じの方も多いと思いますが、「グラフや資料を読み取って論述させる」のが近年の論文課題の特徴で、2017(平成29年)1回目以来、7回連続でこの形式になっています。
 今年(2020年)8月に実施されたT類採用試験(1回目)の論文では、総務省の「平成30年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」にある「インターネット利用者の割合」のグラフと「インターネットの利用目的・用途」の表が示されたうえで、これらの資料から傾向を読み取り、行政機関が発信する情報を都民に広く周知するための効果的な方法を考え、具体的に述べるように求められました。
 この課題を詳細に見ると、前回(2019年)まで比べ、以下のような違いがあるように思われます。

★より具体的な論述が求められるようになっていること
 これまでは「(資料から)読み取れる課題と対応策」を述べるように求められてきましたが、今回は「効果的な方法を考え、具体的に述べなさい」という指示に変わっています。抽象的な言い方でごまかさず、なるべく具体的な内容の提案をしてください、ということです。
★「資料・グラフ」から読み取る内容に注意しなくてはならないこと
 これまでの課題では、読み取るべき内容が予想しやすい回もありましたが、今回はそうではありません。最初の時点でグラフや表から何を読み取るべきなのか、それをしっかり考えさせる内容になっています。

 2021年1月に実施される2回目試験の論文でも引き続き「グラフ・表の読み取り」形式が採用されるとすれば、
◆与えられたグラフ・表から読み取れることを簡潔に、わかりやすく述べる
◆「読み取れたこと」をもとに、対策や取り組みをできるかぎり具体的に示す

 この2点にとくに注意しておきたいですね。

※むろん、「グラフ・表の読み取り」ではない形に戻る可能性もあります。念のため、2016年以前の課題にも目を通しておくとよいですね。(「論文試験対策シリーズ記事」では、2016年以前のさまざまな出題のタイプについても解説しています。)
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